最適な職業を診断
退職

退職代行を使ったら会社に何を言われた?実例とパワハラ対処法

退職代行を使ったら会社に何を言われた?実例とパワハラ対処法

「退職代行を使ったら、会社から何を言われるのか不安」——これは退職代行の利用を検討している人が最も気にする悩みのひとつです。実際には、退職代行を依頼した瞬間から会社とのやり取りは業者経由が原則となるため、依頼者本人が直接罵倒される場面はほとんどありません。とはいえ、業者から共有される「会社の反応」には『分かりました』という受容から『損害賠償を請求する』という脅しまで幅広いパターンがあります。

この記事では、退職代行を使った人が会社や上司から実際に言われた言葉15選を「受容型・引き止め型・脅し型・無視型」の4カテゴリで整理し、法的に問題となる発言の見極め方と、不当発言があった場合の5ステップ対処法までを解説します。万一に備える証拠化の方法もあわせて紹介するので、依頼前の不安解消にお役立てください。

退職代行を使ったら会社・上司から何を言われる?

退職代行を介した会社と本人のやり取り

退職代行を使うと、依頼後の会社対応は『業者経由』が原則のため、依頼者が直接会社の反応を受けることはほとんどありません。ただし、業者から共有される会社からの言葉には『受容型』『引き止め型』『脅し型』『無視型』の4パターンがあります。中には『損害賠償を請求する』『離職票を渡さない』など法的に問題のある発言も含まれることがあり、その場合は証拠を残して労働基準監督署や弁護士に相談できます。厚生労働省の労働相談データでも、退職をめぐる不当発言に関する相談は近年増加傾向にあり、特に「離職票の不交付」「家族への執拗な連絡」が頻出しています。退職代行を依頼した時点で「本人への直接連絡は禁止」と通告するのが標準フローのため、心配しすぎる必要はありません。

「会社の反応」が依頼者に直接届かない仕組み

退職代行業者は、依頼者と会社の間に立ち、すべての連絡を業者経由で処理します。具体的には次の流れです。

1. 依頼者が業者に退職意思を伝える 2. 業者が会社に電話・書面で退職通告 3. 会社からの返答・要望はいったん業者が受領 4. 必要な情報のみ業者が依頼者に共有

このため、上司の怒鳴り声や同僚からのメッセージを本人が直接受け取ることは基本的にありません。業者は依頼者の心理的負担を考慮し、感情的な言い回しを要約してから共有するケースも多くあります。

不当発言があった場合の基本スタンス

会社からの返答に違法・不当な内容(脅迫・名誉毀損・パワハラ)が含まれていた場合は、業者経由でやり取りの記録を保存し、労働基準監督署または弁護士に相談するのが基本フローです。依頼者本人が会社と直接交渉する必要は一切ありません。


向いている仕事を診断ツールで知る

診断してみる

退職代行利用時に会社から実際に言われた言葉15選

会社から言われた言葉15選

退職代行の利用報告でよく見られる「会社・上司から言われた言葉」を、業者が公開している事例集や匿名アンケートをもとに4カテゴリ・15例に整理しました。それぞれ「会社の意図」と「対処の必要性」を併記しています。自分の勤め先がどのパターンに該当しそうか、依頼前のイメージ作りに役立ててください。

受容型(円満系):そのまま受け入れてもらえるケース

業界・企業規模・上司の人柄によっては、拍子抜けするほどあっさり受け入れられることもあります。退職代行業者の体感では、全体の3〜4割がこの受容型に分類されます。

1. 「分かりました。引継ぎは郵送で結構です」

人手不足で揉めるリスクを避けたい企業や、退職代行の対応に慣れている企業では、淡々と承諾されるケースが大半です。引継ぎ書類の郵送・私物の返送先確認だけで完了します。

2. 「お疲れさまでした。離職票は来週送ります」

労務管理がしっかりしている会社では、離職票・源泉徴収票・健康保険資格喪失証明書を法定期限内に送付してくれます。この場合、特段の対処は不要です。

引き止め型:交渉・面談を求めてくるケース

突然の退職通告に対し、上司や人事が「直接話したい」と粘るパターンです。本人と直接話せば翻意させられると考える会社に多く見られます。

3. 「直接本人と話したい」

業者経由で「本人への連絡は禁止」と通告済みであるにもかかわらず、上司が個人的に粘るケースです。業者から改めて連絡禁止の旨を強く伝えてもらえば、それ以上の対応は不要です。

4. 「給与アップするから考え直してほしい」

退職理由が給与・待遇だった場合に出やすい引き止め文句です。ただし、退職を決意した段階で待遇改善の提案を受け入れると、後々「言ったのに辞めた」とトラブル化することがあります。受けないのが無難です。

5. 「もう一度上司と面談を」

「最後にもう一度だけ」と面談を求められても応じる義務はありません。業者経由で「面談の意思はない」と伝えてもらい、書面でのやり取りに統一してもらいましょう。

脅し型(法的に問題ある可能性):要注意ワード

ここからは法的に問題となる発言です。実際に裁判で退職を阻止できた事例はほぼ皆無ですが、心理的圧力をかけるために発せられることがあります。

6. 「損害賠償を請求する」

民法627条で労働者の退職の自由が保障されており、通常の退職で損害賠償が認められた判例はほぼありません。脅し文句として聞き流して問題ありませんが、書面で送られてきた場合は弁護士相談の判断材料になります。

7. 「離職票・源泉徴収票は渡さない」

雇用保険法施行規則・所得税法により、会社には離職票(10日以内)と源泉徴収票(1ヶ月以内)の交付義務があります。違反は罰則対象です。ハローワーク・税務署経由での催告も可能です。

8. 「保険証を返さないと給料を払わない」

賃金全額払いの原則(労働基準法24条)に違反する違法発言です。保険証の返却と給与支払いは別個の義務であり、相殺は認められません。

9. 「業務上の損失を給料から天引きする」

これも労働基準法24条違反の典型です。労働者の同意なき天引きは違法であり、未払い分は労働基準監督署への申告対象となります。

10. 「裁判を起こす」

口頭での「訴える」発言は、ほとんどがブラフです。実際に提訴する場合は弁護士から書面が届く形が通常で、退職代行経由の退職を理由とする訴訟が認められた例は極めて稀です。

無視・無反応型:返答を引き延ばすケース

連絡を受け流すことで時間稼ぎをしようとするタイプです。退職そのものは止められないため、業者が淡々と書面で詰めていくことで対応します。

11. 「対応できる人がいないので明日にしてください」

担当者不在を理由に返答を引き延ばすパターンです。退職代行業者は内容証明郵便で記録を残し、対応期限を切って再連絡を行います。

12. 「本人から連絡してください」

「本人と話すまで応じない」と拒否するケースです。代理人による退職意思の表示は民法上有効であり、本人連絡は法的に必須ではないことを業者が説明します。

13. (無言で電話を切る)

一方的に電話を切られるケースも報告されています。電話を切られても退職意思の表示は到達した時点で効力が発生するため、業者が録音と発信履歴を証拠として保存します。

その他特殊ケース:第三者を巻き込む発言

ごく一部の悪質なケースで、家族や次の職場を巻き込む脅しが出ることがあります。

14. 「親に連絡する」

業務上の必要性なく家族に連絡する行為は、個人情報の目的外利用(個人情報保護法)・パワーハラスメントに該当する可能性があります。事前に「家族への連絡禁止」を業者から通告してもらいましょう。

15. 「次の職場にこのことを伝える」

転職先への通告は名誉毀損・営業妨害になりうる重大な違法行為です。実際に行えば民事・刑事の両方で責任を問えるため、発言があった時点で証拠を保存し弁護士に相談してください。


向いている仕事を診断ツールで知る

診断してみる

法的に問題となる「会社の発言」3パターン

法的に問題となる会社の発言3パターン

会社からの不当発言の中でも、特に問題となるのが「損害賠償の脅し」「書類の引き渡し拒否」「第三者への連絡」の3パターンです。いずれも法的根拠が明確で、対処法も体系化されています。発言があった瞬間に「これは違法かも」と判断できるよう、根拠条文と対処の入口をセットで覚えておきましょう。

発言1:損害賠償の脅し → 民法627条で原則違法

「急に辞められて損害が出た。賠償しろ」という主張は、民法627条が定める「退職の自由」と真っ向から衝突します。期間の定めのない雇用契約では、労働者は2週間前に申し出れば退職でき、これに対する損害賠償が認められた判例はほとんどありません。例外的に認められるのは、引継ぎ放棄により数千万円規模の損失が確実に発生したケースなど極めて限定的です。退職代行経由の通常退職で賠償請求が成立する余地はほぼないため、脅し文句として処理して構いません。書面で請求書が届いた場合のみ、弁護士に相談する判断材料となります。

発言2:離職票・源泉徴収票の引き渡し拒否 → 雇用保険法・所得税法違反

離職票は雇用保険法施行規則7条で「離職後10日以内の発行・送付」が義務付けられており、源泉徴収票は所得税法226条で「退職後1ヶ月以内の交付」が義務化されています。「渡さない」発言は明確な法令違反です。対処手順は次の通り。

  • 離職票が届かない → ハローワークに相談 → 会社へ「離職票交付の催告」が発送される
  • 源泉徴収票が届かない → 税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出 → 税務署から会社へ指導
  • それでも応じない → 弁護士経由で内容証明送付・労働審判申立

退職代行業者経由でも会社に強く要請してもらえるため、最初の窓口は業者で問題ありません。

発言3:親・次の職場への連絡 → 個人情報保護法・名誉毀損・パワハラ

業務上の必要性がないにもかかわらず、家族・転職先に「あなたの会社の元社員が退職代行を使って辞めた」と通告する行為は、複数の法律に抵触する可能性があります。

該当する法律違反内容
個人情報保護法取得した個人情報の目的外利用
民法709条名誉毀損・プライバシー侵害による不法行為
労働施策総合推進法パワーハラスメント(精神的攻撃)

家族への通告は事前に「家族への連絡禁止」を業者から通告すれば抑止できます。万一発生した場合は会話内容・SMS・着信履歴を証拠化し、弁護士・労働局のハラスメント相談窓口に相談しましょう。

退職代行の合法性そのものに不安がある方は、退職代行は違法?業者種別の合法性を整理も併せて確認してください。


向いている仕事を診断ツールで知る

診断してみる

不当な発言があった場合の対処法5ステップ

不当発言への対処5ステップ

会社から法的に問題のある発言があった場合、慌てずに以下の5ステップで対応します。いずれも依頼者本人が会社と直接対峙する必要はなく、業者・行政・弁護士と段階的に味方を増やしていく構成になっています。

ステップ1:退職代行業者に会話内容を共有してもらう

まずは業者に「会社から具体的にどのような発言があったか」を文字起こしで共有してもらいます。録音データがあれば該当箇所のタイムスタンプも併せて取得します。業者によっては会話ログをPDF化してくれるケースもあるため、契約時に確認しておきましょう。この記録が後のステップ全てで証拠となります。

ステップ2:メール・郵送物などの証拠を保存

会社から届いたメール・SMS・郵便物・内容証明はすべて原本またはスクリーンショットで保存します。特に「損害賠償請求」「離職票不交付」「家族連絡」などの文言が含まれる書面は、紛失しないようクラウドストレージにバックアップしてください。日付・差出人・受領日が確認できる形で残すことが重要です。

ステップ3:労働基準監督署への相談

賃金未払い・離職票不交付・パワハラ的発言の3点については、所轄の労働基準監督署が一次相談窓口になります。匿名相談も可能で、深刻なケースでは「臨検監督」と呼ばれる立ち入り調査が入ることもあります。労基署は弁護士のように代理人として動くわけではありませんが、行政指導により会社が態度を改めるケースは多くあります。

ステップ4:弁護士への相談(無料相談あり)

民事訴訟や労働審判を視野に入れる場合は弁護士相談が必須です。各地の弁護士会では「労働問題ホットライン」として30分〜1時間の無料相談を提供しています。日本労働弁護団のような専門団体も、初回相談無料の窓口を運営しています。退職代行を弁護士に依頼していた場合は、そのまま訴訟代理を依頼できることもメリットです。

ステップ5:ハラスメント窓口(厚生労働省・労働局)への通報

パワーハラスメントに該当する発言があった場合は、厚生労働省「ハラスメント悩み相談室」または都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」へ通報できます。無料・匿名で利用でき、必要に応じて会社への助言・指導や紛争調整委員会によるあっせんへと進める仕組みです。証拠が揃っていればハードルは高くありません。

退職代行のデメリット全般を把握しておきたい方は、退職代行のデメリットと利用前の注意点も参考にしてください。


向いている仕事を診断ツールで知る

診断してみる

「言われた言葉」を証拠化する3つの方法

会社の発言を証拠化する3つの方法

万一、会社から不当発言があった場合に備え、退職代行を依頼する前後で「証拠化」の段取りを準備しておくと安心です。証拠が揃っていれば、労基署・弁護士・労働局のいずれに相談しても話が早く進みます。ここでは特に効果が高い3つの方法を紹介します。

方法1:業者からの報告メール・LINEを保存する

退職代行業者は依頼者に対し、会社の反応を逐次メール・LINE・チャットツールで報告します。これらのメッセージは「いつ・誰が・何を言ったか」を客観的に示す一次資料となります。スクリーンショットだけでなく、PDFエクスポート機能やメール本文の保存も活用しましょう。LINEは退会するとログが消えるため、退職完了から半年は退会しないのがおすすめです。

方法2:会社からの郵便物・メールはスクリーンショットで保存

会社から本人宛に届くメール・郵便物(離職票催告書・損害賠償請求書・内容証明など)も全て原本またはスクリーンショットで保存します。封筒は消印が読めるよう撮影し、本文は文字が判読できる解像度で保存してください。クラウドストレージ(Googleドライブ・iCloud等)に日付付きフォルダで整理しておくと、後から探しやすくなります。

方法3:直接電話があった場合は録音する(同意不要・合法)

退職代行を介しているにもかかわらず会社から直接電話が来た場合は、迷わず録音してください。日本の法律では、自分が会話の当事者である場合、相手方の同意なく録音しても違法ではないとされています(最高裁判例・東京地裁判決等で確立)。録音アプリを常時起動しておき、不明な番号からの着信があれば最初から最後まで残しておくのが安全です。録音データは複数の場所(スマホ本体・クラウド・PC)にバックアップしましょう。

退職代行の失敗事例から学びたい方は、退職代行の失敗事例と業者の選び方も参考にしてください。


向いている仕事を診断ツールで知る

診断してみる

FAQ

退職代行を使うと、会社から本当に「損害賠償を請求する」と言われますか?

一部の悪質な会社で実際に発生しています。ただし、労働者の退職は民法上の自由であり、よほど特殊な事情がない限り損害賠償請求は認められません。脅しとして発言されるケースが多く、応じる必要はありません。書面で正式に請求書が届いた場合のみ、弁護士に相談する判断材料となります。

会社から「離職票を渡さない」と言われたらどうすればよいですか?

雇用保険法により会社には離職票発行義務があります(離職後10日以内)。ハローワークに相談すれば「催告」してもらえ、それでも応じない場合は罰則対象となります。退職代行業者経由でも会社に強く要請してもらえるため、まずは業者に連絡し、並行してハローワークへの相談を進めましょう。

退職代行を使った後、上司や同僚から個人的に連絡が来ることはありますか?

退職代行業者が「依頼者本人への直接連絡禁止」を会社に通達するため、ほとんど来ません。ただし業者経由でない私的なLINE・SMSが来るケースはあるため、不安な場合はブロックすれば問題ありません。執拗な連絡が続く場合はパワハラに該当する可能性があるため、業者に再通告を依頼してください。

「親に連絡する」と言われたら違法ですか?

業務上の必要性がないにもかかわらず家族に連絡することは、個人情報保護法違反・パワハラに該当する可能性があります。事前に「家族への連絡禁止」を業者経由で通告してもらいましょう。万一発生した場合は会話内容・着信履歴を証拠化し、労働局ハラスメント相談窓口に通報できます。

パワハラ的な発言があった場合、訴えることはできますか?

発言内容と証拠次第で可能です。弁護士の退職代行を利用していれば、そのまま民事訴訟・労働審判に進めるケースもあります。労働問題に強い弁護士の無料相談を活用しましょう。慰謝料請求が認められた判例もあり、悪質性が高いほど認容額も上がる傾向にあります。

向いている仕事を診断ツールで知る

診断してみる

まとめ

退職代行を使ったとき、会社や上司からの発言で依頼者本人が直接対応する必要はほぼありません。すべては業者経由でやり取りされ、感情的な発言は要約して共有されるのが通常フローです。発言には「受容型・引き止め型・脅し型・無視型」の4パターンがあり、本記事で紹介した15例のうち、特に「損害賠償請求」「離職票不交付」「家族・転職先への連絡」の3つは法的に問題となる可能性があります。

不当発言があった場合の5ステップ対処フロー

  • 退職代行業者に会話内容を共有してもらう
  • メール・郵送物の証拠を保存する
  • 労働基準監督署に相談する
  • 弁護士に無料相談する
  • ハラスメント窓口(厚労省・労働局)へ通報する

不当発言は「証拠を残せば必ず対処できる」というのが結論です。録音は同意なしで合法、業者報告メールや郵便物は強力な一次資料となります。怖さは「知らない」ことから生まれるため、事前に対処の入口を把握しておくだけで、退職代行依頼時の不安は大きく和らぎます。

退職代行の失敗事例と業者の選び方を整理しておきたい方は、退職代行の失敗事例と業者の選び方も併せてご覧ください。

START

あなたの“働く”を、今日からシフトする

診断ツールで向いている仕事を知る。気になることは気軽に相談。

最適な職業を診断する
井上 健二

井上 健二

退職・労務アドバイザー

人事・労務担当として7年間勤務し、退職手続きの実務を多数経験。自身も退職代行サービスを活用した経験を持つ。現在は労働環境・退職・転職に関する情報を執筆するライターとして活動。第二種衛生管理者資格保有。「誰もが安心して働ける環境づくり」を信念に、退職・転職の悩みに寄り添う情報を発信している。

この著者の記事・プロフィールを見る »